組織活性化、職員のモチベーションアップ 「表彰制度」とは何か?

【有効活用】表彰制度の本当のねらい

 

職員のやる気に繋がるものとして代表的なものは「昇給」や「昇格」があります。
これは「人事制度」としてはメインになるものです。
しかし今回は、「人事制度のサブシステム」に該当するだろうと思われる制度の中で「組織の活性化」「職員のモチベーションUP」に繋がる制度にスポットをあてることにしました。
それが「表彰制度」です。

 

 

表彰制度に目を付けた理由

人は皆、多かれ少なかれ「自分を評価して欲しい」「認めてもらいたい」という承認欲求をもっています。
あなたの職場の従業員も同じで「他の職員から認められたい」「上司から褒められたい、高く評価されたい」そういった気持ちは必ずあるはずです。
会社員で自分が評価されていることがわかる一番の指標が「給与」です。
しかし、給与というのは「承認欲求」を満たすものでは無いことをご存じでしょうか?

 

そこで私が着目した制度が「表彰制度」でした。
「表彰制度」は承認欲求を満たすために存在する代表格といっても良い制度です。

 

有名なアメリカの心理学者マズロー氏「欲求5段階説」(欲求階層説)でいえば次の通りです。

 

 

 

【有効活用】表彰制度の本当のねらい

 

 

この理論では、下位の欲求が満たされて、始めて上位の欲求に向かうと言われています。
給与を与えることにより「生理的欲求」と「安全(安定)の欲求」は得られる仕組みですが、「所属(社会)的欲求」と「承認欲求」は満たすことはできません。

 

職員の「やる気」は給与だけでは限界があるのです。

 

職員に「もっとやる気を出してもらいたい」「会社を辞めないで欲しい」といって、例えば給与をガンガンUPさせていったとします。
確かに給与が上がった職員は喜ぶでしょう。
しかしそれが、やる気に繋がるのかというと決してそうではないのです。

 

給与がUPした職員に何が変化するのかといえば、その職員のプライベート、生活水準だけでしょう。
その職員は自分の生活水準を落とさないように仕事を頑張ろうとはしますが、それが本当に企業目線から期待する「やる気」に当てはまっているのかは疑問です。

 

そもそも、介護職員や現場で働く他の職員は会社の利益をアップさせるものではありません。

 

例えば営業職のように、数字として見える化できる成績で会社に利益をもたらしてくれる場合でしたら、正当に評価した後、好成績の人への給与UPは妥当です。
しかし介護職員(他の現場職員含める)の場合、会社に利益をもたらすわけでもなく、数字として成績を残せるような職種ではありませんから正当な評価ができません。

 

それよりも、「社会的欲求」と「承認欲求」を満たすことが期待できる表彰制度を導入することで職員のやる気が生まれ、組織が活性化し、結果「事業の成長が加速」すると考えています。

企業における表彰制度とは

【有効活用】表彰制度の本当のねらい

 

表彰制度とは、企業が褒めるべき善行・功績などを規定し、それを行った社員を社内で明らかにして褒め称える制度です。
制度を設ける場合には、必ず就業規則に定めるよう労働基準法89条によって規定されています。
記載内容に決まりはなく、表彰の基準や方法、手続きなどが書かれています。
就業規則の表彰規定例としては以下のような感じで書かれるのではないのでしょうか。

 

 

(表 彰)
第○条
従業員が次の各号のいずれかに該当する場合には、審査のうえ表彰することがある。

 

  • 技術優秀、業務熱心で他の者の模範と認められる者
  • 災害を未然に防止し、又は災害の際、特に功労のあった者
  • 業務上有益な発明、改良又は工夫、考案のあった者
  • 永年にわたり無事故で継続勤務した者
  • 社会的功績があり、会社及び従業員の名誉となった者
  • 前各号に準ずる程度に善行又は功労があると認められる者

 

前項の表彰は、賞状、賞品又は賞金を授与し、これを行う。

 

この表彰規定はあくまでも例に過ぎませんから、このまま使っては意味がありません。
独自(オリジナル)の表彰規定を作る必要があります。

 

独自(オリジナル)の表彰規定を作成する方法

【有効活用】表彰制度の本当のねらい

 

表彰規定は他社の物を「完コピ」しては意味がありませんが、実際にオリジナルの表彰規定を作成する労力のことを考えると「少し面倒だなぁ…」という感情が湧きませんか?
それは当然です。
他にもやらなければならない仕事が山積みでしょうから(苦笑)

 

では、どうやったらオリジナルの表彰基準が面倒なく作れるのか?
実はとっても簡単です(^^)
☆会社☆に経営貢献できたことを表彰すれば良いんです。

 

会社の運営者は職員に何をして欲しいですか?

 

  ・業務をミスなくやって欲しい
  ・入居者様に寄り添って欲しい
  ・入居者を紹介して欲しい
  ・新規職員を呼んで欲しい
  ・退職しないで欲しい

 

 

たくさん浮かんできますよね。
それを表彰して頂ければ、会社は変わります。

 

例えば、退職しないで欲しいのなら内容はこんな感じ、

 

  ・勤続年数が1年加算で表彰する
  ・部下の退職率が低い管理職を表彰する
  ・新人なら、使用期間満了月に表彰する

 

 

これで十分です。
オリジナル表彰の出来上がりです。
あとはこれを実際に漏れなく表彰することが大切。
そんなに高価な贈呈品はいりません。
早い話、表彰状のみでもOKです。
ちゃんと効果は発揮します。

 

▽これより先は、私が社内プレゼンをした時の内容一部を載せています。参考になれば幸いです(^^)


表彰はいつやるのか

【有効活用】表彰制度の本当のねらい
私の考案としては、

 

【時期】
1年に2回あるボーナス時期をメイン、特別に表彰したいことがある場合は適宜、新人は使用期間終了月

 

【場所】
表彰する場所は、全体会議の場で行う

 

【受賞者への配慮】
受賞者へは事前に表彰があることを上長が伝えておく

 

(理由)
自分が評価され皆の前で表彰を受け取ることに照れはあるでしょうが、拒否される人は少ないと思います。
しかし中には、本当にそういうのが大嫌いで、もう2度と受け取りたくないと思ってしまう人もいるかもしれません。
そうならないように事前に伝えることは配慮として必要です。
「皆の前では絶対にイヤ」と希望された場合は、施設長が「1対1でヒッソリと渡す」などとして留めておきましょう。

 

受賞者が全体ミーティングに参加できるようにシフト調整をしておく

 

【表彰の仕方】
私のイメージとしては、

  • 全体ミーティング内で施設長から表彰を授与することを宣言
  • 施設長、管理職の方々や必要であれば各部署の長などキーマンが立ち上がり前に出て横並びに整列
  • 施設長から受彰者を呼び前に来てもらう
  • 施設長が、本人・会議出席者全員に「なぜ表彰に至ったのか」「何の表彰なのか」「何を評価したのか具体的に」「誰が推薦したのか」を曖昧な理由ではなく、正式なプロセスで選考したことがわかるように説明
  • 表彰する
  • 皆からの拍手!
  • 横並び整列しているキーマンが受賞者に握手や「褒め称える言葉を掛ける」

 

 

上記にあるものの中で、特に大事なのが「施設長がその場にいる人達への説明」の部分です。

 

受賞者は、曖昧な理由で表彰される形で持ち上げられると困ってしまうものです。
本人からすれば、褒められることは嬉しいのですが、ただ形だけで機械的に持ち上げられるのは面倒で嫌なんですよね。
説明がないと本人も、周囲も白けちゃいますからね。
そうならないように、上司推薦、他社推薦など正当なプロセスで選考がなされたことを伝えるのは非常に重要です。

 

また、受賞者以外の周りにいる職員への配慮も大切です。
受賞者は決して一人で事を成し遂げたわけではありません。
周囲にいる職員の協力があっての表彰であることも伝えるべきです。

おわりに

表彰と聞くと「あまりにも古典的」だと感じてしまう人もいるでしょう。
ただ、長く使われ続けるものには理由があります。
組織の活性化、職員のモチベーションUPには「表彰制度導入」はとても良いスパイスになると思いませんか?

 

・あなたの職場に表彰制度が無い場合は表彰制度を設けてみてはいかがでしょうか(^^)
・表彰制度がせっかくあるのに上手く機能していない場合は、先にお伝えしたポイントをしっかり押さえ見直しをかけてみましょう。

 

あなたの想像以上に職員の動きがキラリと光り出しますよ(^^)

 

最後までご高覧下さり感謝いたします。

 

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